だめだ…
佐藤亜紀大好きです。このひとの小説があれば、もういいや。と思えるほどに好き。特にこの作品は素直に萌えられることでは随一です。 公爵のビスコンティ的にあざやかな人物造形に目を奪われますが、やっぱり主役はアントワーヌ。もう、噛めば噛むほどいい男なのである。工兵で剣の名手でなにがあっても文句を言わない情深い美男子ですもの。いいなあ。お得意の小役人キャラも実に執拗に絡んで味わい深い。反面マドンナであるはずのクリスティアーネのいさぎいいほどの書き割り感は爽快です。この女、まったく生きてない。 佐藤亜紀はキャラクターのネーミングが抜群に巧い。殊に公爵のフルネームは口のなかで転がして楽しみたいほど素敵である。 アウステルリッツ、フェンシング、ヴァイオリン、そしてオペラ。これだけ搭載されていて満足できないはずがあろうか。 読中の陶酔そして読後の恍惚たるやほとんど麻薬。
来るもの拒まず
『バルタザール』読んで佐藤亜紀の小説をもっと読みたいと思ったあなた、ここにさらに魅力的な世界が。『天使』読んで、うっ、ちょっとお手上げか、と思ったあなた、これなら分かります。 佐藤亜紀って誰?というあなた、それではこの一冊を。 ナポレオンというその名前だけは誰もが知っている人物を軸に描かれている分、歴史お手上げという人でも想像で補える部分があると思います。 「工兵」というマニアックな主人公ですが、何も延々橋を架ける話をしているわけではありません。 そこはやはり佐藤亜紀。外交、陰謀、秘密警察、軍部さまざま入り混じって息をつかせぬ展開を見せてくれます。 なによりも、ウストリツキ公爵。 身分と美貌とその異能っぷりは、魅力的な人物ばかりの佐藤氏の小説の中でも、最高の一人ではないでしょうか。 まったく何考えてるか分からない人ですが、そのヴァイオリンを聴いてみたいものです。
どれをとっても一級品
大掛かりな舞台背景を手際よく説明していく職人技、 粉飾を廃し、抑制の効いた文体、 多面的な人物設計、薫り高い時代描写 暗殺の陰謀に加担していくことそのものが ミステリーとして成立している逆転の発想、 どれをとっても一級品である。 気軽に手に取れるエンターテイメント作品ではないが、 安易な時代物やミステリーに飽き飽きした読者にとって この水準の作品が日本語で読めることは幸せである。
凝っている
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秀逸の歴史ミステリー?
ナポレオンの歴史小説が読みたいと思っていたところ この作品を見つけました。 結局ナポレオンは脇役なのですが、それを忘れさせる 面白さです。 ストーリー展開は先へ先へと読ませる力があり、 内容的にも西洋史に対する異様なほどの造詣の深さ。 マニアックな部分と王道的な部分とを兼ね備えた 作品です。
文藝春秋
モンティニーの狼男爵 (光文社文庫) 雲雀 (文春文庫) 鏡の影 バルタザールの遍歴 (文春文庫) 天使 (文春文庫)
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